FlowerLeaf

*AriaLien Sub BLOG*

◆FRIEND→LOVER

FRIEND→LOVER 6話



海斗は女という生き物を嫌悪していた。


『ねぇ、海斗って好きな女の子いないの?』
『いない』
『え、なんで?いいなって思う子もいないの?』
『俺は女を好きにならない』
『えっ!何…ひょっとして海斗って…男が好』
『違う!気色悪い事云うな』
『だって…じゃあなんで?なんでそんな事云うの?』
『…』


今思えば、私は随分無神経な事を海斗に訊いていたのだと思う。

煩いくらいにしつこく訊く私に、海斗は言葉少なに語った。


『俺は産まれてすぐに母親に捨てられたんだそうだ。未婚で俺を産んだ母親は自分一人では育てられないからと云って産院から児童養護施設に連絡が行って、生後一週間で俺は母親と引き離された。其れですぐに施設で里親になる今の両親の元に引き取られて此処まで育ててもらった』
『…海斗』
『俺を産んで捨てた身勝手な母親という存在の女の事は俺の中ではどうしても受け入れ難い憤りになっていて、そんな女というものに…酷く嫌悪を感じるんだ』
『…』
『最初から育てる気がないならなんで俺を…子どもを作ったりするんだ。安易な行為の末に俺はこの世に生を受けたっていうのか?!』
『海…斗』
『正直、母親という存在、其れ以上に…女という存在が疎ましいんだ』
『…私も?』
『え』
『海斗、女が嫌いって…じゃあ私の事も?本当は嫌いで、嫌悪感を抱いていて…なのにどうして私と』
『──おまえは女じゃねぇ』
『は?どういう意味よ』
『おまえは俺以外の男に現を抜かしている単なる色呆けだ。だからおまえを女として見ていない』
『何よ、其れ』
『…おまえは其のままでいてくれ。ずっと…其の名前の通りずっと俺の心に波風を立たせず凪いでいてくれ』
『海斗…』


海斗の出生の話を訊いてから少しだけ海斗に対する気持ちが変わった。

私は海斗の前では【女】を意識させない様に振る舞った。

ずっと…

ずっと気の置けない友だちでいようと…

いたいと思った。



──なのに




「あぁん、あん、あん!」
「ふっ、凪子…凪子」
「あぁ、やぁ…は、激しぃ」
「…」

今のこの状況はどうあっても【男と女】という関係の何者でもない状況。

ほんの数十分前の深いキスは私たちの体を火照らせ、其のまま行為に走らせたのは当然の流れだった。


「や…やぁ、海斗ぉ…深い、奥…あぁぁんっ」
「はぁ、はぁはぁ…」

グチュグチュと出し挿入れされる海斗のモノは私の知っているモノよりも遥かに太くて長くて…

(嘘、嘘!こんなの…知らないっ)

私は康彦の体しか知らない訳で、当然どうしても康彦のモノを比べてしまうのだけれど、だからこそ余計に海斗の規格外のモノに驚いていた。

だけど

「気持ち…いぃ…あぁん、はぁ…」
「…」

味わった事のない濃厚でありえない快楽にただ私は素直に喘ぐ事しか出来ない。

「凪子…いいか、中に…」
「…え」

海斗が何を云っているのか一瞬解らなかった。

解らなかったけれど、海斗から与えられる激しい攻めを私は逃げる事無く受け入れていた。

「ひゃぁん!あ、あぁぁぁっ、あっや、やっ…イク…イッちゃう」
「あぁ…凄い…締め付けてる…もう──限界だ」
「!」

腰の動きを止めた海斗のお尻をガシッと掴んでいた私は気が付いた。

(嘘っ、中…出し──?!)

彼氏だった康彦の時には一度たりともした事がなかった避妊無しのセックスを、よりにもよって友だちであるはずの海斗としてしまったのだった。

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FRIEND→LOVER 7話



一度中に出されたら後は何度されようと同じ事だった。

何故かそんな恐ろしい事を考えてしまって…


「はぁ…はぁ、はぁ…」
「はぁ、あ…はぁー」

結局私と海斗は、なんだかんだと2時間ほど睦み合ってしまっていた。




「凪子、水」
「…ん」

キッチンの冷蔵庫から海斗がミネラルウォーターを出して来て、其れを私に手渡してくれた。

起き上がって水を飲もうとした瞬間、グポッという水音と共に私の中から大量の白い液体が流れ出た。

「きゃっ」
「あ、ティッシュ」
「あ…あっ…」

海斗が私から流れ出た自分の精液を拭き取っていた。

其の様子をただ茫然と眺めていた私は、徐々にこの状況のおかしさを理解して来た。

「……なんで」
「え」
「なんで…海斗、私とセックスしたの」
「おまえ…あからさまだな」
「あからさまも何も、現にこういう状況になってるじゃない!なんで…なんで?私たち友だちで…海斗は私の事を一度だって女として見ていな──」
「見ていた」
「!」

絞って来たタオルで、トントンと絨毯を叩きながら海斗は呟く様に云った。

「本当は…ずっとおまえの事を女として見ていた」
「…嘘」
「勿論最初は本当に女として見ていなかったし、好きじゃなかったし、康彦なんかに色呆けしているおまえを阿呆らしいとも思っていた」
「酷っ」
「だけど…いっつも俺の傍にいて、康彦の事で綺麗になって行くおまえを間近で見ていたら…いつの間にか……好きになっていた」
「!」

(まさか…本当に──?!)

「俺は絶対に女なんか好きにならないと思っていたのに…後にも先にもおまえ、凪子だけが俺のそんな頑なな気持ちを揺さぶるんだ」
「…海斗」
「だけどおまえは康彦が好きで、康彦は俺にとって友だちで…だから俺はおまえたちの邪魔をしたくないと思ったから高校卒業を機におまえたちから離れたんだ」
「其のために県外の大学に行ったっていうの?!」
「あぁ。じゃなきゃ俺──どんなに卑怯で酷い手を使っても、おまえを俺のものにしていた、と思う」
「!」
「好きな女の気持ちを無視した、自分勝手な欲望でおまえを穢すだろうと思ったから俺は」
「…海斗」

まさか海斗がそんな事を考えていたなんてちっとも知らなかった。

そんなに…

(そんなに私の事を──)

何故か海斗の秘めた本当の気持ちを知ってしまってから私の心は激しく動揺した。


「だけど康彦から凪子と別れたと訊いた時は、其の別れ方が凪子を物凄く傷つけていたとしても俺は…心の何処かで喜んでいたんだ」
「…」
「そんな最低な俺は更に傷ついている凪子の隙をついて…取り入ろうとした」
「…」
「でも性急に凪子を求めるつもりなんてなかった。本当に今日はただ話を訊いて、場合によってはいつもの調子で慰めるだけで…酷い事は何もしないと決めていたのに、おまえが店の店長に告白された、なんていうから」
「…だから私を抱いたの?」
「もう…誰にも取られたくなかった。俺だけのものにしたかったんだ」
「海斗」

俯いて、両手で顔を伏せた海斗は吐き出すように其の心情を吐露した。

「おまえは俺を嫌っていい。もう友だちという関係でいるのも厭だというのなら…俺は」
「…そうね」
「え」

私が答えたひと言に、海斗は驚くほど俊敏に反応して、其の焦った表情を私に見せた。


「私…もう海斗と友だち、止める」


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FRIEND→LOVER 8話



『私…もう海斗と友だち、止める』


其れを訊いた海斗は、今まで見た事がないくらい青ざめ其のまま固まってしまった。

(わっ、こんな海斗、初めて見た)

私は海斗を見つめながら、少し脅かし過ぎたかなと思った。

そして私は改めて海斗に告げる。

「私、海斗とはもう友だちっていう関係ではいられない」
「…」
「だって…友だちとはセックスなんてしないから」
「…あぁ」
「だから海斗とは…セックスしてもいい関係に、なる」
「──え」

瞬間、海斗の表情は強張り、徐々に緩んで行った。

「…云っている意味、解る?」
「凪子、其れって…つまり」
「だけどフラれたばかりの私がこんなに簡単に海斗に乗り換えて…いいの?」
「! 凪子」
「わっ」

いきなり海斗の大きな体が私に抱き付いて来た。

其の強く息苦しく感じる抱擁にもがきながらも、心の何処かでは嬉しさを感じている。

「なんで…なんで俺と…いいのか?本当に」
「なんでって…そんなの私にも解らないよ…でも私にとって海斗は大切な友だちで…だけど今思えば、康彦よりもずっと身近にいて…だから見えなかった、気づかなかった気持ちっていうのがあったのかも知れない」
「凪子…」
「康彦がダメだったから海斗にって…もしかしたらそんな都合のいい様に考えているのかも知れない」
「…」
「だけど私、海斗とセックスしても…全然厭じゃなかったんだもん」
「…そうか」
「うん…だから…海斗とは友だちとしてじゃなく、男として…彼氏として付き合ってみようかなと思った」
「ありがとう、凪子」
「…海斗」


本当にいきなりの事だった。

ほんの数日、数時間前までは康彦こそが私の運命の相手なんだと信じていた。

好きだった。

本当に愛していた。

其の気持ちに偽りはないけれど…


だけど裏切られていたのだと知った瞬間から其の気持ちは少しの事で揺らぎ、薄らぎ、壊れて行った。


──そんな私の心の隙間に海斗はスルリと入り込んだ


海斗の行動が、行為が厭だと思う事もなく、私はやけにストンと海斗の気持ちを受け入れられたのだ。


「凪子、好きだ。ずっと…愛していた。これからは彼女として──おまえを絶対に幸せにする」
「ん、よろしくね、海斗」

抱き合っていた私たちは、其のまま其の場に倒れ込んでまたお互いを求め合い始めた。

(どうしてこんなに急に海斗の事が好きになったのか解らない)

ただ、もしかして私は高校生の時から海斗の事を好きだったのかも知れない。

でも其の気持ちを認めて突き進むには周りの環境が赦さなかった。

私には康彦という存在があったし、海斗は女を嫌悪していて且つ私を女として見る事はないと知っていた。

だから私の本当の心は奥深くに沈められたのかも知れない。


海斗は友だち──


そんな呪文の様な肩書きを心に刻み込んで、本当の気持ちを見ない様にしていただけだったのかも知れない。



「凪子、凪子」
「ん、海斗…もう……」

がむしゃらに私の中を冒す海斗の楔は折れる事無く何度も奥へ奥へと突き刺した。

其の痺れるような快感に甘ったれた喘ぎ声を出して、悶える私は海斗の体を放すまいとしがみつく。

そしてまた何度も私の中には海斗の荒ぶった熱が流し込まれる。

其の温かくて心地のいい感覚は、今まで味わった事のない生身の行為だと知り、いつまでも呆けてしまう私だった。


(あ…そういえば海斗に…云わなくっちゃ)


海斗と付き合うと決めた私は、気がかりだった事にひとつの解決策を見出した。

こんな展開になって全てはいい方向に向かうのだと信じて疑わない私だった。

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FRIEND→LOVER 9話



告白された美容院の店長が【女】だと知った時の海斗の顔が可笑しくて、一日経っても思い出し笑いしてしまう。

てっきり男の店長から告白されて、焦った挙句私に酷い事をしてしまったと海斗は落ち込んだけれど、私にとっては其の誤解は嬉しい結果を生んだのだから気にしないでと慰めた。

(まぁ、はっきりと店長が女だって云わなかった私が悪いんだけどさ)

でもあの流れでわざわざ女の人から告白されたなんて云えなかった。

勿論あんな展開になるなんて解らなかったから、其処まで云う必要はないかな、と。

(でも…よかった)

晴れて海斗と恋人同士という関係で付き合う事になった私には怖いものなんて何もないと思っていた。



「凪子」
「!」

洗い場でロッドを洗っていると急に腰に手を当てられた。

「なんだか今日はやけに腰当たりが色っぽいわね」
「よ、洋子、さん」


洋子さんに告白されてから初めての出勤となった今日。

朝、会った時は普段と全然変わりがない様子で挨拶を交わしたからてっきり

(やっぱりあの告白は冗談だったのかも知れない)

と思ったのだけれど──

「何かいい事、あった?」
「…べ、別に」
「ん?凪子、あんた──匂いが変わった?」
「!」

急に首元に洋子さんの顔が近づき、クンッと匂いを嗅ぐ仕草をされた。

「なんか…めっちゃ不愉快な匂いがする」
「…」

(其れって…まさか海斗の匂い…?)

昨日、私はあのまま海斗の家に泊まり、今朝早く一度家に戻り着替えをしてから出勤したのだけれど

「──まさか」
「あ、あの、洋子さん!仕事が終わった後…お話、いいですか?」
「…」
「洋子さんに…話したい事があって」
「其れはいい話?悪い話?」
「其れは…」
「…まぁいいわ。じゃあ後で」

短くそう云って洋子さんは洗い場を出て行った。

(はぁ…なんだか焦ったよ)

洋子さんの告白は冗談だったと思いたい私は、でも先刻の洋子さんの様子からもしかして冗談ではない──?と脳裏をかすめ、素面の状態では本当の処はどうなんだろうと、きちんと確かめなくてはいけないなと思ったのだった。




【ごめんなさい、少し遅れます。お店を出る頃にもう一度メールします 凪子】

仕事が終わった後、私は今夜私のアパートに来る予定になっていた海斗にメールをした。

海斗はまだ仕事中なのか直ぐに返信は来なかった。

(何事もなく短時間で済めばいいなぁ)

お店のスタッフが次々に帰宅するのを見送りながらそう、ぼんやりと考えていた。

「お待たせ」
「あ」

スタッフが全員帰り、ひとり残された私はスタッフルームで洋子さんを待っていた。

其処に洋子さんが来て、私の向かい側の椅子に座った。

「話、何?」
「え…えぇっと…」

いきなりそう切り出されて、何と云い始めればいいのか少し戸惑った私だった。

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FRIEND→LOVER 10話



室内にはしばらく静寂が漂っていた。

(うぅ…空気が重い…気がする)

私は洋子さんにこの数日にあった事を正直に話した。

偶然昔の男友だちから連絡があって、再会した彼と話している内にお互い気持ちが通い合って付き合う事になった──と。

(かなり端折っているけれど、概ねそんな感じ…よね)

私の話を訊き終えてから洋子さんが顔を伏せて一言も喋らなくなっていた。


そんな沈黙が続く事数分──


「…あのさぁ」
「!」

顔を上げた洋子さんは、とても低い声で話し始めた。

「凪子、騙されてるんじゃないの?」
「えっ」

思いもよらなかった言葉が初っ端に出て、私は一瞬呆けてしまった。

「だってなんでそんな都合のいいタイミングで昔の男友だちが連絡して来たり、フラれたばかりの凪子に告白して付き合う事にしたって──どう考えても凪子の心が弱っている隙間を狙って入り込んだって感じよ」
「あの…其れは…」

私があまりにも端折って話したせいで洋子さんには私と海斗が付き合うまでに至った経緯がとても軽く、軽薄な印象に感じられてしまった様だ。

「何年も逢っていなかった男友だちとそういう事になるなんて、凪子らしくないね」
「…」
「どうして男がいいの?ただ異性だってだけでフラれて寂しい凪子は簡単に股を開くの?」
「!」

洋子さんの其の言葉に私は一瞬にして頭が真っ白になった。

そして気が付けば

「! 凪子」
「い、いくら…洋子さんでも…い、云っていい…事と…悪い事が…」

私はボロボロと涙を流しながらたどたどしく言葉を紡いでいた。

「…」
「私と…彼の間には長い間築いていた気持ちがあって…そりゃ長い事友だちって関係でしたけど、でも、でも私がフラれた隙間を狙ってなんて事…彼はそんな姑息な男じゃありません」
「…」
「彼は私の事を第一に考えていて、真摯で誠実で…私が、私がそんな彼の事を…好きだって気が付いて…だから私は彼と」
「──もういい」
「え…」

嗚咽混じりの私の言葉を洋子さんは遮った。

「もういい──凪子は友だちだった其の男の事が本気で好きだって、そう云いたいんでしょう?」
「…はい」
「結婚したいくらいに?」
「け、結婚?!」
「其の男と結婚して幸せになりたいと思っているの」
「…」

正直付き合って日が浅い今の段階で結婚なんて事、考えた事もなかった。

だけど

「出来れば…結婚、出来たらいいなと…」
「相手の男はどうなの」
「え?」
「凪子を嫁にする位の気持ちがあって、其の覚悟で付き合うって云っているの?」
「…其れは…私には…」
「呼んで」
「え、何を」
「男を、今、此処に」
「…」
「悪いけどわたしはそう簡単に凪子を諦められないのよ」
「洋子…さん?」
「わたしは本気で凪子を生涯に渡って公私共にパートナーにしたいと思っているの」
「っ!」
「男なんかに負けない位に身も心も快楽に満ちた生活を送らせてあげる」
「?!」
「だからね、生半可な男に凪子を取られたくないのよ」
「~~~」
「ほら、其の男を呼んで。わたしの納得の行く男じゃなかったら即叩き出してやる」
「な…なっ…」


(なんでこんな事になってんのぉぉぉぉ──!?)


どうして洋子さんが此処まで私に拘るか解らなかった。

第一私と洋子さんは女同士。

そんな…

そんなアブノーマルな世界が私の直ぐ傍で起こる事になるだなんて…

(…私…どうなるの?!)

兎に角今は、全ての成り行きを海斗を呼び出す事で解決しなくてはいけないと、其れだけは解ったのだった。

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