FlowerLeaf

*AriaLien Sub BLOG*

◆Silent killer

Silent killer 1話



私が愛しているのは父です。

いえ、正確には義父──ですが。

義父と出逢った6歳の時から私は義父の虜になってしまいました。

愛する義父を私だけのものにしたいとずっと思っていました。


──だけどどんなに愛していても義父は母のものなのです






「静流さん、朝ですよ!起きてください」
「…んっ」

私の一日はお手伝いさんの咲子さんに叩き起こされる事から始まる。

「おはようございます、静流さん」
「…眠い」
「そうですね、眠いですね。でももう起きないと学校、確実に遅刻しますよ」
「…」

容赦ない咲子さんの声に渋々ベッドから這い出る。

「…智広さんは?」
「もう会社です。朝一で会議があるんだそうですよ」
「…ふぅん」

(また会議か…)

もう何日逢っていない?

(というかうちの会社、大丈夫なの?)

「静流さん、会社の会議は別に経営不振時だけにある訳じゃないですからね」
「わっ、な、なんで私が考えている事解ったの?!」
「もう何年静流さんのお世話をして来たと思っているんですか?静流さんが何を考えているのか、其の表情から読み解けます」
「…さっすがぁ」

少し皮肉めいて呟いてみた。

「さあ、顔を洗って朝ご飯を食べてください」
「はぁい」

私の皮肉にはすっかり慣れている咲子さんは大して態度を変える事無く忙しく行動していた。


私は宇都宮 静流(ウツノミヤ シズル)

この春高校生になったばかりの15歳。

私の家は【UTSUNOMIYA】という、まぁそこそこ有名な老舗製菓会社を営んでいた。

現在代表取締役社長なのが私の義父、宇都宮 智広(ウツノミヤ チヒロ)だった。


「いただきます」

目の前に並べられた洋風の朝食を広いダイニングでひとり味わう。

いつもの光景。

もう慣れ過ぎて寂しいとは思わなくなっていた。

「…」

義父の智広さんは婿養子だった。

【UTSUNOMIYA】の一人娘だった母は親に勧められた政略結婚で私を産んだ。

だけど私の父は若い従業員の女と不倫して母に家を追い出された。

其れは私が2歳の時の事で、私は実の父の顔を全く覚えていなかった。

そして私が6歳の時、母は【UTSUNOMIYA】の営業部に勤めていた智広さんと再婚した。

初めて智広さんと顔を合わせた瞬間、其のあまりにも端正な顔、スマートな物腰からすっかり私は心を奪われてしまった。

6歳だというのに早熟だと当時既に私の世話係になっていた咲子さんは語った。

確かに生意気で早熟な子どもだとは私自身も思う。

だけど

子ども心にも智広さんの魅力はとても壮絶なものだったのだ──



「いってきます」
「あ、静流さん、今日は兵馬さんが学校まで送ってくださるって先ほど連絡が」
「えっ、兵馬さんが?」

私はいつも学校まで専属の運転手さんの車で送り迎えしてもらっていた。

私自身は普通に電車通学したかったのだけれど、万が一誘拐といった犯罪に遭ったら大変だという周りからの説得でそんな大げさな送迎を余儀なくされていた。

(兵馬さんの運転か…)

胸にほんの少しモヤッとした想いが染み込んだのを感じながら、私は車の待つ場所に向かった。


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Silent killer 2話



車での送迎に渋々承諾した私は、代わりに乗る車に対しては大いに希望を通させてもらった。

よくある黒塗りのごっつい車は厭だと云った。

軽自動車の四角いバスみたいな車がいいと、其処だけは譲らなかったのだ。

「よぉ、おはようさん」
「…おはよう」
「咲ちゃんから訊いた?今日は俺が送り迎えするって」
「訊いた。だから別に驚いていない」
「そっか──じゃあサッサと乗る乗る」
「…」
「と、おい、何処に乗るんだ」
「何処に乗るって、いつも通りの後部座席だけど」
「おまえねぇ…俺の運転する車に後部座席って、有り得ないから」
「…」
「こーこ!俺の隣の助手席が静流の指定席!」
「…」

(いつもながら強引な人だ)


──本当に信じられない


(兵馬さんが智広さんの弟だなんて)


「其れじゃあ出発進行ー!」

勢いよく走り出した車のスピードの反動でグッとシートベルトで押さえつけられた胸が苦しかった。

「兵馬さん、あ、安全運転でね!」
「了解了解!」
「…」

常盤 兵馬(トキワ ヒョウマ)は智広さんの10歳年下の弟だった。

つまり私にとっては義理の叔父さん──という事になる。

兵馬さんも【UTSUNOMIYA】に勤めている。

現在は私の家の近くのマンションで独り暮らしをしている25歳。

「いやぁー朝っぱらから静流とドライブなんて、今日はツイてるなぁー」
「ドライブじゃないから」
「俺にとってはドライブだな」
「…」

智広さんが母と再婚した時、兵馬さんは16歳で智広さん同様私の家に一緒に住んでいた。

というのも智広さん兄弟は早くに両親を亡くされ、智広さんは随分苦労して弟の兵馬さんの面倒を見て来たのだ。

兵馬さんが大学に進学して独り暮らしをするまでの三年間、私は兵馬さんと歳の離れた兄妹の様な付き合い方をして来たのだった。


やがて車は学校の校門少し手前で止まった。

「送ってくれてありがとう」
「どういたしまして。んで、帰りは?何時頃来たらいい?」
「えっと…何もなかったら16時下校になるんだけど…」
「ん、解った。じゃあ16時前には此処にいる。もし遅れるようならメールして」
「うん、じゃあね」
「勉強頑張れよ」
「…」

満面の笑みを浮かべながらヒラヒラと手を振っていた兵馬さんは、私が校門をくぐるまで見送っていた。

「おはよう、宇都宮さん」
「あ、おはよう」

いきなりクラスメイトが声を掛けて来て少しだけ驚いた。

「今日の送迎の運転手さん、いつもの人と違っていたわね」
「えぇ、いつもの運転手さん、風邪をひいたとかで休みだったの」
「そうなの。でもカッコいい人が代わりでいいわね」
「え」
「あの運転手さん、イケメンじゃない」
「…」
「いつもあの人なら送迎も愉しいんでしょうね」

(兵馬さんがカッコいい?)

この人の審美眼ってどうなのかしら。

私にとってのカッコいい、イケメンと評されるのは智広さんだけだ。

(智広さん以外の男なんてカスにしか見えない)

こんな私の持論を兵馬さんは『恋は盲目だな』と呆れる。

「…」

そう

私の恋心は、お手伝いの咲子さんにも義理の叔父さんである兵馬さんにもバレバレなのだった。


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Silent killer 3話



「知ってるか、静流。義理でも父親とは結婚出来ないんだぞ」
「…」
「戸籍上三親等以内の婚姻は法律で──」
「煩い。知っているわよ、そんな事」
「…あっそ」

昼休み──

高校に入ってから知り合った相模 正親(サガミ マサチカ)と生徒会室の一角で昼食を取っていた。

この正親は高校に入学した其の日に私に告白をして来た3年生だった。

しかも生徒会長という肩書を持った人物。

入学式が終わった後、いきなり放送で生徒会室に呼び出されて『一目惚れした、付き合ってくれ』と云われたのだ。

私は其の唐突な正親の告白に驚いたけれど、あまりにも正親が強引かつ真剣な様子だったので其れなりの誠意を持って返事をした。

『私は義理の父の事が好きなのであなたとは付き合えません』

と。

しかし其の断り方が何故か正親の心証に響いたようで、断られたというのにより一層力強く『益々気に入った!』と云われ、以来鬱陶しいくらいに付きまとわれる様になった──という現状だ。

最初は正親の場所を弁えない接触が堪らなく厭だった私だけれど…

(でも本当の処は助かっているかも)

高校入学から三ヶ月ほど経ったけれど、未だに気心の知れた友だちというのがひとりも出来ていない私にとってはこの正親といる時だけが唯一学校内で本当の自分を曝け出す事の出来る時間だった。

【UTSUNOMIYA】のイメージを損なわない様に常に品行方正で、誰に対しても平等に万遍なく卒なく行動する事は私にはかなりの苦行だった。

本当の私を知っても変わらず接してくれる正親の存在はありがたいものなのかも知れなかった。

「なぁ、静流。今日放課後デートしない?珍しく生徒会活動がなくてさぁ」
「しない」
「えぇーなんだよぉー折角俺が誘っているのにー」
「関係ないよ、そんなの。兎に角今日はダメ。送迎の運転手が兵馬さんだもん」
「──兵馬って…親父さんの弟っていう?」
「そう、叔父さん」
「…ふぅん」

鬱積して行く想いを小出しに正親に話す事があったから、正親は私の環境下の人間関係を何となく把握しているようだった。

だからといって他の人に面白可笑しく吹聴する男じゃないから安心している、というのがあって私は何となく時間があれば正親と過ごしていたのだった。

(だからといって付き合うとかはありえないけれど)

其処だけは何があっても間違えない私だった。



授業が終わり、約束の時間通り私は校門を出て送迎の車を見つけた。

「お待たせ」

助手席のドアを開けて車内に乗り込んだ私を兵馬さんはいつもの笑顔で「お疲れさん」と声を掛けた。

緩やかに走り出した車内にはカーラジオから小さくクラシックが流れていた。

「なぁ、静流」
「何?」
「これからどうする?」
「どうするって?」
「俺、もう直帰していいんだよ」
「…」

なんとなく兵馬さんの云いたい事が解って私は少しだけ考えた。

そして

「…また、何か見せてくれるの?」
「──まぁな」

いつも通りの云い方。

私は少しだけ考えるフリをして答える。

「じゃあ、ちょっとだけ寄り道してってもいいよ」
「本当か?──よし!」

そう云った途端、車はグンッとスピードを上げた。

「ちょ!兵馬さん、安全運転!!」
「あはははっ、了解了解~」
「…」

本当25にもなって子どもっぽいんだから──と心の中で思った私だった。


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Silent killer 4話



私を乗せた車が到着したのは兵馬さんのマンションだった。

地味な外観から解るくらいの質素な室内。

2DKという間取りは独り暮らしには充分過ぎる広さだと兵馬さんは云う。

「先払い?後払い?」
「いつも通り静流が決めていいよ」
「じゃあ先払いで」
「…いつも思うけどさ、静流は俺の事を疑わない訳?」
「え?何が」
「先に支払ってもらっても、俺が何も見せないという意地くそ悪い事をしないかって」
「思わない。私の知っている兵馬さんはそんな人じゃないから」
「あ、そう」





其れは建前の云い訳


「静流」
「んっ」

兵馬さんが慣れた手つきで私の制服を素早く剥いで行く。

目の前に晒した未完成な私の裸体を大きな手が揉み解して行く。

「あっ…んんっ」
「あれだけ揉んでいるのに中々大きくならないものなんだな」
「…兵馬さんっておっぱい大きい方が好きなの?」
「ん?好きっていうか…育てりゃ大きくなるっていうだろう?結果が伴わないのは少し残念かな」
「そんなに直ぐ大きくならないわよ」
「そっか」
「あっ」

急に掌に力が籠められ、私の胸は兵馬さんの掌にすっぽり収まる様に形を変えた。

そしてビンと立っている薄い紅色の乳首を口に含まれ、ねっとり舐めあげられる。

「ふぁ…あっ、あぁん」
「…」

黙々と私の体のあちこちを舐め始めた兵馬さんはもう言葉を発しなかった。

「あぁん、あっ…んっんん」

静かな室内には私の甘ったるい喘ぎ声だけが響く。

そして薄い袋を破る音がしてから数秒後、私の足は大きく広げられた。

「挿入れるよ」
「…ん」

直ぐに固くて太い熱をグッと突っ込まれる感覚に襲われる。

「あぁぁっ!あっあっあっ」
「…んっ、くっ」

グイグイと私の狭い中を侵食して行く兵馬さんのモノはあっという間に最奥まで達した。

「はぁ…あはぁん…」
「あぁ…めちゃくちゃ気持ちいい…」
「…」

(ごめんね、兵馬さん)


私はめちゃくちゃ気持ち悪い


「動くよ」
「ん」

性急に腰を振り出し、グチュグチュと粘着質の音が響き出す。

「あっあっあっあぁん」
「ふっ…んっんっ」


(こんなに気持ち悪い事)

終わった後にご褒美があるって思わないとやってられないの

だからいつも先払いなのよ──

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Silent killer 5話



兵馬さんは最初、冗談で云ったのだそうだ。

『静流、昔の兄貴の写真、見たいか?』
『えっ、見たい!』

私が兵馬さんの其の言葉に飛びついたのには訳があった。

其れは、智広さんが昔の写真を何故か私には見せてくれなかったから。

というか、智広さんは過去にまつわる全てのものは兵馬さんに預けたと云ってアルバム類などの思い出の品はひとつも家にはなかったのだ。

そんな経緯があって丁度今から半年前、何故か兵馬さんがいきなり私に冒頭の言葉を囁いて来たのだ。

『そうか…見たいか』
『うん、見たい!』

私は智広さんの事はなんでも知りたかった。

当然昔の、若い頃の智広さんはどんな風だったのか──其れは私が一番関心のある事柄だった。

『兄貴は恥ずかしいから絶対静流には見せるなって云っていたけど…』
『えぇ…』
『そんなに見たい?』
『見たい!』
『そっか…見せてやってもいいけど…ひとつ条件がある』
『条件?』
『…』

つまり兵馬さんのいう其の条件というのが、私とのセックス──だった。

兄妹の様に育って来たとはいえ血の繋がりはない。

だけど戸籍上は義理の叔父と姪。

兵馬さんはそんな背徳的な位置にいる私を抱きたいと云った。

だけど其処に愛はないとも云った。

兵馬さんは私の事を好きでも嫌いでもないけれど、ただセックスがしたいのだと云った。

私は其の条件を呑んだ。

兵馬さんが其のつもりなら私もそうだと答えた。

私はただ智広さんの事を知りたいがために兵馬さんに抱かれるのだと。

其れでもいいのかと私が反対に訊いた時の兵馬さんは驚くほど呆けた顏をしていた。

そして

『いや…ほんの冗談だったんだけど』
『冗談にしないで』
『…』

思春期特有の好奇心と興味が入り混じった感情に、兵馬さんの其の言葉は私にとっては物凄い誘惑だった。

本当なら最初は智広さんがいいと願った。

だけど其れは到底叶わない願望なのだ。

だって

智広さんは永遠に母のものなのだから──


叶う事のない願望は早々に諦めがつく状況に持って行けばいいと思った。

どんな女にも最初というものがあるのなら、私は智広さんと同じ血筋を持った兵馬さんがいいと思った。

智広さんの弟──というだけで、いくらかの嫌悪感は薄れた。

だから私は智広さんの情報を得るために、智広さんと近しい男と寝るのだ。

ただ其れだけの事だった。



「え、これ…智広さん?」
「そう、中学ん時の空手の試合の時の兄貴」

体を差し出した対価として今日も過去の智広さんと出逢う。

「信じられない。空手なんて習っていたんだ」
「今じゃすっかり優男だけどね」
「うん…」

今の智広さんからは想像出来ない様な、精悍な顔つきのあどけない智広さんが優勝トロフィーを持って満面の笑顔を写真の中で見せていた。

(こんな顏もするんだ)

胸がドキドキ高鳴って堪らない。

今の智広さんしか知らない私にとっては、兵馬さんから小出しに見せられる昔の写真で過去の智広さんを知る事が出来るこの時間が至福の時だった。

例え其の至福の時間を手に入れるために苦痛に満ちたひとときを過ごさなくてはいけないのだとしても──


「はい、今日はこれだけでおしまい」
「…ちぇ」

こういう処はやけにキッチリしている兵馬さん。

得た快楽分の報酬しか払わない。

「また見たくなったら静流から誘ってくれてもいいんだからな」
「…」

其れだけはない──と心の中で呟きながら曖昧な笑みを見せた。

(自分からなんて絶対に誘わない)

私は誘われたから仕方がなく応じているだけ。

決して自分からお願いして体を晒しているのではない。


──其れだけは私なりの智広さんへ立てたちっぽけな忠誠心だった

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樹野 花葉

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