FlowerLeaf

*AriaLien Sub BLOG*

◆世界の中心に暴君

世界の中心に暴君 6話



薄暗い部屋の中で私は天眞によって盛大に喘がされていた。

「あ、あっ…や、やだぁ」
「ん、何が…やだだ、こんなに溢れさせやがって」
「ふぁっ、あ、あっ」

ペチャペチャと音を立てて天眞は私の秘所を舐め取っていた。


(な、なんで突然こんな展開になってんのよっ!)


いきなり天眞に襲われた。

天眞なんかに──という気持ちがあったけれど、手慣れた様子でどんどん私を快楽の渦に引き込んで行く天眞の其のテクニックに驚きつつ、身を委ねてしまっている私がいた。

「はぁ…はぁ…て、天眞ぁ、あんた…本当は酷い男、だったのね」
「…」

熱い舌で蹂躙されながらも私はなんとか気丈に振る舞おうとしていた。

「わ、私の知ってる天眞、は…ぁっ、んっ…もっと優しくて…あっ」
「…」
「私にこんな事、絶対しなかった…あぁっ」
「──する訳がない」
「…え」

不意に天眞が私の秘所から顔を上げ、何かを呟いた。

自分の喘ぎ声で聞こえなかった私は何を云ったのか訊き返したけれど

「まだお喋り出来るくらい余裕があるんだな」
「!」

急に意地悪い表情を私に見せたと思った瞬間、思いっきり広げられた両足の間に天眞は体を密着させた。

「挿入れるぞ」
「えっ、や、やだ!ぃやっ」
「この状況でやだと云われて、はいそうですかって云える訳ないだろう」
「! やぁっ、あっ、あぁぁぁっ」

有無をもいわせずに天眞は其の太いモノを私の中に捻じ込んだ。

「やっ、痛い!痛っ、痛い、いた、ぃ…よぉ!」
「…おい、まさかおまえ」
「あ…っんんっ」
「…」


一瞬強烈な痛さが私を襲った。

熱い棒で何度も何度も狭い中を押し進められている様な感覚。

だけど其の痛さは次第に我慢出来る程の痛さになって来て…


「あっ!」

ズズッと天眞のモノが奥まで滑り込んで来た瞬間、凄く近くに上気した天眞の顏があったから其の時だけは痛さよりも恥ずかしいという気持ちが勝ったのだった。

「…」
「ぁ…」

汗と涙でぐちゃぐちゃだった私の顔をジッと見つめる天眞。

小さい頃から私に忠実で、私のいう事には逆らった事だって酷い事だってした事のなかった男だった。


──だけど私は其の天眞によって処女を奪われてしまった


「…初めて、だったのか」
「な、何よ…そ、そうよ!こんな歳になって経験がなくて悪かったわね!」
「…」

私の中にモノが収まっている状態で問われた。

感情のこもっていない、無機質な云い方をした天眞の言葉に恥ずかしさからつい粋がってしまう。

其れと同時に、天眞に私は処女じゃないと思われていたのだという事がなんだか哀しいなと思った。

(私は…本当に好きな男とじゃないと出来ないのよ)

そんな大事に取っておいた処女をいとも簡単に、あっけなく天眞に奪われてしまった事に対して複雑な気持ちになった。

(私…どうして天眞に)

今までも結構際どい事はあった。

遊び友達から求められた事があったり、誘われた男と興味本位でしてみようかと思ったり…

だけどいざ其の時になるとやっぱり激しく拒絶してしまう私だった。

(天眞にだって私、拒否しようと思えば出来たんじゃ)

そんな事を考えると、こうも簡単に抱かれてしまった事が不思議な事として私の中に居座る事になるのだった。


00a22
◆ランキングサイトに参加しています。
1ポチ頂けると執筆の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

世界の中心に暴君 7話



思いがけず天眞と肉体関係を持ってしまった私。

初めての行為はよく解らないまま終わってしまった。

私は天眞から受けた数々の衝撃的な言動、行動、行為にいちいち驚き過ぎて、すっかり抵抗する気力を失っていたのだった。

「此処にいる間は俺のいう事には逆らわない事。解ったか」
「わ、解ったわよ」
「解りました」
「わ、解り、ました」

(なんだか1日にして下剋上が成功してしまった様な…)

私専用のお世話係だったはずの優しい男は、今やただの高飛車な暴君になっていた。

(お金が無くなるってこういう事、なのかな)

なんだか気持ちが暗く沈んで行くのを覚えた私だった。

「じゃあ今日はもう寝るぞ」
「寝るって、何処に」
「此処に決まっている」
「え!この布団?一組しかないじゃない。天眞は何処で寝るの」
「はぁ?おまえは何を云っているんだ。この一組しかない布団に俺とおまえが寝るんだよ」
「…」

(え、えぇぇぇぇぇぇぇ──?!)

あまりにも理不尽な事に口をパクパクさせる事しか出来ない。

「何、鯉みたいな顔しているんだ。ほら、寝るぞ。灯り消すからな」
「あ」

容赦なく灯りを消され一気に真っ暗になった。

「や、やだぁ…!天眞、ちいさい電球点けてよ!私、真っ暗じゃ怖くて眠れないんだから」
「俺は真っ暗じゃないと眠れない」
「そ、そんなぁ」

昔から暗闇が怖かった。

私が心細く、泣きたい気分になった其の時

「!」

いきなり隣からグッと体ごと抱きかかえられた。

「な、何っ」
「こうしていたら怖くないだろう」
「…」

天眞が私を抱きしめながら布団を被せた。

真っ暗な中、聞こえるのは時折水がポチャンと落ちる音と、カチコチという時計の音。

そして

ドクンドクン

(天眞の…心臓の音)

押し付けられた耳に届くのは天眞の規則正しく打ち付ける鼓動だった。

(なんだか気持ちが…安らぐ)

目を伏せ、其の音に包まれていると次第に意識が消えて行くのだった。









「──ろ」

「…」

「おい──きろ」

「…ん」

「起きろ!」

「!」

耳元で怒鳴られ一気に目が覚めた。

「な、何、何っ!」
「何じゃない。いつまで寝ている気だ」
「…」

其処にはスーツを着た天眞の姿があった。

「俺は仕事に行くから。おまえはこの家から一歩も外に出るんじゃないぞ」
「え?じゃあ私、何していればいいの」
「これ」
「!」

小さな丸いテーブルにドンッと置かれたのは数十冊の本。

「これを読んで出来そうな事をやれ」
「は?な、何よこの本」
「家事の事が書かれているマニュアル本だ。いいか、ひとつでも出来る事を見つけてやるんだ」
「…」
「帰って来たら発表してもらうからな」
「えぇっ!」

其れだけ云って天眞はサッサと家を出て行ってしまったのだった。


00a22
◆ランキングサイトに参加しています。
1ポチ頂けると執筆の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

世界の中心に暴君 8話



天眞が出て行ってから居間のテーブルに置いてある食事に気が付く。

「何、これ」

其処に置いてあった食事は今まで見た事がないものだった。

茶碗とお椀が伏せて置いてあって、ラップに包まれたお皿には小さな焼き魚が3尾乗っていた。

直ぐ傍に紙切れがあったのを手に取り読むと

【朝飯。白米は台所の炊飯器の中。味噌汁はコンロの鍋の中。めざしは冷たさが気になる様ならレンジでチンする事】

「何よ…これ、私がやらなくっちゃいけないって事?」

私は自分でご飯をよそったり入れたりなんてした事がなかった。

今までは私がテーブルに着けばすぐに給仕されていたのだ。

「其れにめざしって何よ」

どうやらお皿に乗っている魚の事らしいが、こんな魚、今までに食べた事がなく戸惑った。

「っていうかご飯、これだけなの?!」

私にしたらあり得ないメニューだ。

ご飯と味噌汁と魚だけなんて…

「苛めだ、嫌がらせだ!天眞の奴、私の事が嫌いだからこんな陰湿な意地悪い事をしているんだ!」

憤った気持ちからドンッとテーブルを叩いた。

(昨日のセックスだって…私の事が嫌いで今までの鬱憤を晴らすためにわざとやったんだ)

そう思うとなんだか泣けて来た。

1日にして性格が変わってしまった天眞に戸惑い、ショックを受けていた。

今までずっと慣れ親しんで来た天眞は偽りのもので、昨日の天眞が本当の天眞なのだと知った。

(ずっと騙されて来たんだ、私…)

哀しい気持ちに心が支配された。

「…」

しばらく何も考えられず、ジッと俯いて座っているといきなりグゥゥゥ~という音がお腹から鳴った。

「わっ!な、何よ、今の音っ」

其れは空腹から来るお腹の音だった。

「…そういえば私、昨日から何も食べていなかった」

ようやく其の事に気がつき、初めて感じた空腹に切ない気持ちになった。

(お腹なんて空いた事なかった)

今まではお腹が空く前に何かしら食べていた。

常に食べるものはあったから、食べられなくなるなんて事を考えた事もなかった。

「……ご飯、食べよう」

私はノロノロと台所に行き、炊飯器を開けごはんをよそった。

そして鍋の中の味噌汁をお椀に入れた。

だけど

「これ、どうやって使うの?」

めざしを温めようとレンジの前に立ったけれど使い方が解らない。

お皿を中に入れて扉を閉めれば自動的に温めてくれるのかと思ったけれど、どうやらそうじゃないみたいだ。

「何よ、こんなの全然便利じゃない!」

怒った私はめざしを温めるのを諦め、其のまま食べる事にした。

「…いただきます」

手を合わせてひとりきりの食卓でご飯を頬張った。

「ん、甘い…」

白いご飯は何故か甘かった。

何も乗っていないご飯が甘いだなんて知らなかった。

「ん、何、これ」

味噌汁を飲むと今まで飲んだ事のない味がした。

色が薄くて表現するなら白い汁。

中には何かの葉っぱと大根だけ。

なのに

「…美味しい」

ご飯とみそ汁、交互に口に含むと今まで味わった事のない味覚が広がった。

そしてめざしを口に含む。

「うっ、何この魚!堅いし苦い」

私はめざしをひと口噛んだだけで手を付けるのを止めた。

「これは人間の食べるものじゃないでしょう!天眞、またこんな意地悪をして…!」

ご飯と味噌汁だけは美味しかった。

だけどやっぱりすんなりいい気持ちだけにはしてくれなくて、こういった苛めみたいな事をするんだなと思ったらまた気持ちが沈んだ。

「…」

私は天眞が読めと置いて行った大量の本を横目で見てただため息しか出なかった。


00a22
◆ランキングサイトに参加しています。
1ポチ頂けると執筆の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

世界の中心に暴君 9話



食事後、天眞から読む様にと云われていた本をパラパラめくって見てみる。

だけど

「全然面白くない」

ものの数分で飽きてしまって読むのを止めてしまった。

「はぁー退屈!」

ゴロンと仰向けに寝転がって見慣れない天井を見上げる。

(…知らない天井)

剥き出しの木の板の天井なんて私は知らない。

キョロキョロと見渡して、私は徐に立ち上がり家の中を散策し始めた。

しかし散策、といっても食事をした居間と布団が敷かれている部屋のふたつしかない。

あとは小さな台所と其の横にあるトイレと狭い洗面所と風呂。

たった其れだけの家だった。

(こんな処で天眞は母親と暮らしていたっていうの?)

私の元に来るまで住んでいただろう家のあまりにも酷い状態に絶句した。

(あっ、そういえば)

其処でやっと思い出した。

この家に天眞の母親がいない事を。

(実家って云っていたわよね。どうして母親がいないのかしら)

キョロキョロと見渡しても、母親のものだと解るものすらなかった。

室内は質素なもので、必要最低限の家具しか置かれていなかった。

(まさか…亡くなっている、の?)

天眞から母親の話を訊いた事がなかった。

私もあえて其の話をするのを忘れていたという事もあって、天眞の家族に関する情報はほぼゼロだったのだ。



布団の上でゴロゴロ寝そべって時を過ごした。

スマホを弄って突然降りかかった私の不幸を事細かにメールやLINEで友だちに送ってみるけれど、何故か既読スルーされた。

「何よ、一体どうなっているのよ!」

其れ処か着信拒否をされている友だちまでいた事に驚いた。

ほんの一昨日までは仲良くしていた友だちだったのに、この手のひらを返したかのような対応に憤りを感じた。

(結局は其の程度の友だちだったって事なの?)

男女問わず私の周りを取り巻いていた連中を私は友だちだと思っていた。

だから欲しいと強請られたものだって買ってあげたし、行きたいと云った旅行にだって連れて行ってあげた。

(愉しく遊んでいたのに…)

会社が倒産して屋敷を追い出されたと書いただけで今までの関係がない事になるなんて思わなかった。

(本当に私にはもう…誰もいないって事、なの?)

哀しくて哀しくて、声を上げて泣き続けた。



──そして私は次第に意識を失っていったのだった


00a22
◆ランキングサイトに参加しています。
1ポチ頂けると執筆の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

世界の中心に暴君 10話



『お嬢様!危ないですよ』
『平気平気~あっという間に着いちゃうよー』
『…』
『ほぉら、もう着いたーあっ、巣の中にヒナがいる!すごーい可愛いー』
『お嬢様、一通り見たなら満足なさったでしょう?さぁ、ゆっくり下りて来てください』
『もぉー天眞は煩いなぁー下からギャンギャン云われたら気が散って──』

バキッ!

『! お嬢様っ』
『きゃ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ──』



ドスンッ


『ぃ…痛っ』
『…』
『ん……あれ…?柔らかい』
『お、嬢さ…』
『天眞?あんたが下敷きになって……って!きゃぁぁぁぁぁー!』
『お嬢、さま…何処も痛く…』
『あんたっ、手、手が…変な方向に曲がっているわよっ!』
『……何処も、怪我は…』
『私の心配なんてしないで自分の心配しなさいよ!ちょ、ちょっと誰かっ!救急車呼んでよー!』
『大袈裟、です…』
『天眞、天眞!死んじゃダメよ!天眞、天眞ぁぁぁぁぁ」


(あぁ…思い出したくもない)


12歳の時の苦い記憶。

庭の樹に鳥が巣を作っていて、其れを見たいがために枝を伝って登って巣の中を見たのはいいけれど、下で心配して色々云っていた天眞に気を取られて足を滑らせて落下したんだ。

落ちた私を両腕で受け止めた天眞のお蔭で私は小さな擦り傷が出来ただけだったけれど、あり得ない重さを受け止めた天眞の腕は骨折してしまったのだった。

(あの時は本当に…流石の私も天眞に悪い事をしたなと思ったものだけれど)


『お嬢様に怪我がなくて本当に良かったです』
『…』
『でももう樹に登るなんてはしたない事はしないでくださいね』
『…』
『いつも私が助けられるとは限らないのですから』
『! 何よ其れ!あんたは私のお世話係なんだからどんな時もいつでも私を助けるのは当然なんだからね!』
『…』


両腕をギブスした天眞を前に素直に謝ろうと思ったのだけれど、天眞の言葉を受けるとつい本心とは違う事を云ってしまったのだった。






「…ごめ…ん…天、眞ぁ」

「…」

なんだか温かな温もりで意識が目覚めて来た。

「…んっ」
「──目が覚めたか」
「…」

凄く近くで聞こえた低い声にぼやけていた思考は徐々に覚醒して来た。

「目が覚めたのならこの手をどけてくれ」
「………へ」

覚醒した私は目に前にあった顔に盛大に驚いた。

「きゃ、きゃぁぁぁぁっ!」
「煩い、何時だと思っている」
「な、なっ…なななな…」


なんで…


なんで…


(天眞が寝ている私に覆い被さっているのぉぉぉー?!)


「あ、あっ、あんた…」
「一応云っておくが、別におまえを襲った訳じゃない。何か寝言を云っていたから訊こうとして近づいたらいきなりおまえが俺の胸ぐらを掴んで顔を寄せたんだ」
「はっ?な、なんで」
「其れはこっちが訊きたい事だ」
「…」

(ちょっと…待って)

同じ様なやり取りをつい昨日、味わった様な…

「はぁ、帰宅してみれば布団で眠って何か唸っているから何事かと思ったが単なる寝言だったとは。心配して損した」
「心配、したの」
「別に。病気なんかになっていたら金がかかるからな、そういう意味での心配だ」
「! 酷いっ」

天眞の言葉に憤慨した。

つい先刻まで天眞に対して申し訳ないなと思っていた夢を見ていただけに、少しだけ気まずい気持ちを持っていたのにあっという間になかった事になってしまったのだった。


00a22
◆ランキングサイトに参加しています。
1ポチ頂けると執筆の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

Author
閲覧PV数

    総閲覧PV数
    • 累計:

    閲覧人数
    • 今日:
    • 昨日:
    • 累計:

    参加しています