お昼ご飯は出前を取ると云っていた天眞。

一度出社したら退社するまで社外には出ない天眞。

(でも今の天眞は其のふたつとも当てはまらない行動をしている)

そんな普遍的な行動に厭な予感を覚えた私は、こっそり天眞の後をつけていた。

颯爽と歩いて行く天眞は通りすがりにある何店かの飲食店を素通りして行く。

(やっぱりおかしい!)

食事に出たのなら其の辺の店に入ったっていいはずだ。

其れこそ和洋中、カフェにファミレスなど、ごく短い距離に様々な種類のお店が軒を連ねているのだから。

(もう、何処に行こうって云うのよ!)

見つからない様にコソコソと、そして歩幅の広い天眞の後をついて行くのはとても大変だった。




「はぁ…はぁはぁ…」

息が上がって来てそろそろ体力の限界──という処でようやく天眞が何処かのビルに入って行った。

だけど直ぐに其処がただのビルではない事に気が付いた。

【オールドシーズンホテル】

(ホ…ホテル?!)

掲げられていた看板にギョッとした。

(なんでこんな処に?!)

私は見失った天眞を追う様にホテル内に入って行った。

中はよくある普通のビジネスホテル、という感じの雰囲気で人がまばらにいた。

天眞の姿を探しキョロキョロしていると

(あっ!)

ロビー奥にソファが幾つも置かれている場所があり、其の一角に天眞の後姿を見つけた。

だけど其処にいたのは天眞ひとりではなかった。

(…嘘)

私の方に背を向け、天眞と其の隣に髪の長い女性が座っていた。

其れはまるで仲のいい男女が密会をしている様な雰囲気を醸し出していた。

(まさかこれって……う、う、浮気現場?!)

そんな考えが一瞬私の頭の中にこびりついたのだった。

1ase
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