FlowerLeaf

*AriaLien Sub BLOG*

2017年08月

三角の天辺 26話



「手術、勧めたらどうだ」
「え」

五條さんが呟く様に云った。

「医者は手術すれば治るって云ってんだろ?だったら考えるまでもなく手術をするべきだ」
「…そう、ですよね」

心臓の手術なんて私から見たらとても怖い事と思ってしまう。

だけどこのまま投薬治療を続けても効果がないのだとしたら、例え完治する事がないとしても少しでも体に負担がかからなくなるなら──

「とりあえず真裕の処に行くぞ」
「はい」

私たちは真裕さんの病室に向かった。






「…ん」

「! 真裕さん」
「真裕」

私たちが病室に居付いてから30分程して、真裕さんは薄っすらと目を開けた。

「…はれ、此処…」
「病院ですよ、真裕さん会社で倒れて救急車で運ばれたんですよ」
「……あぁ…」

まだはっきりと覚醒していないのだろう視線の定まらない虚ろな目を天井に向けて応える。

「真裕さん!」

私は思わず真裕さんの手を取り握りしめた。

「…澪」
「真裕さん…真裕さん…」

真裕さんの手をきつく握って其のまま俯きながらただただ名前を連呼するだけだった。

「…ごめん、心配、かけて」
「ううん、ううん!」

何も云えなかった。

ただ名前と応対の返事しか…

気の利いた事なんて何ひとつ云えなかったのだった。



結局其の日は面会時間の終了と共に五條さんと共に病室を後にした。

「おい、大丈夫か」
「…はい」

病院からの帰り道、ふらついた私を隣にいた五條さんが支えてくれた。

「気が張っていたのが一気に抜けたんだろうけど、ちゃんと歩けよ」
「…五條さんは気丈ですね」
「あ?」

支えられていた五條さんの手をやんわりと放して、私は短い歩幅で歩きながら話した。

「私…真裕さんが倒れたって訊いて…頭の中が真っ白になりました。其れこそあの日の…五條さんが雨の日に私の部屋に来た時の再現かと思う様な感じの…あぁ、五條さんはこんな風になっちゃったんだなって思い知りました」
「しみじみ思い出しているんじゃねぇよ」
「だって、他に何も考えられなくて…何か考えていないと真裕さんがもし…もしかしてって…悪い事しか考えられなくて…凄く怖かった」
「…」
「父を亡くした時の事をまた繰り返すのかもって思ったら…怖くて…怖くて…」

私はこの短い時間の中で感じたあらゆる感情を五條さんにぶつけていた。

そんな私の喚きにも似た言葉の数々を五條さんはただ黙って訊いていた。

やがて吐き出す言葉が無くなって、涙を流すだけになった頃、そっと五條さんに抱き寄せられた。

「!」
「…だけどおまえは逃げないんだろう?」
「え…」

頭上で聞こえる五條さんの声は酷く優しいものだった。

「真裕がこれからどうなるのかなんて解らない。もしかしたら俺たちが望まない結果になる時が来るかも知れない」
「!!」
「だけど、だからといっておまえは真裕の元から逃げ出さないんだろう?」
「…」
「常に死の影が纏う真裕からおまえは逃げないんだよな」
「……はい」

其れは揺るぎないものだった。

五條さんに問われた事に関してははっきりと断言出来た。

「私は真裕さんの傍にいます。ずっと…何があっても」
「──おまえは今までのおまえじゃねぇよな」
「え」
「おまえはやっぱり変わったよ、いい意味でな」
「…」

其れはいつか云われた言葉。

(あぁ…そういう意味、だったのか…)

『──おまえは今までのおまえじゃねぇよな』

今なら其の意味が解る。

(うん…私は変わったの)

五條さんからもらった勇気は、私の胸の中にパンパンに溜まって行ったのだった。

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三角の天辺 25話



私は静かに眠る真裕さんの寝顔を見ながら何も考えられない気持ちになっていた。

つい数十分前に訊いた担当医の先生の話がいつまでも頭の中で響いていて他事が考えられない。


『──ただし、生瀬さんの場合重篤になりうる症状が短い期間に出ている事が気になります。今は投薬治療で事なきを得ていますが、症状が進行すると突然死などの突発的な発作が起きる可能性も大きくなります。そうなる前に出来れば外科的な治療を視野に入れて頂いて──』


(突然死…)

其れは恐ろしい言葉だった。

真裕さんの患っている心臓病は人によって症状が様々で、特に若年者には突然死というリスクが大きくあるという事だった。

(そんな…そんな、どうしたら…)

ひとりで悩むには重すぎる真実だった。

真裕さんには幼い時に離婚した両親がいる。

だけど父親は全く所在が解らずにいて、母親は海外で再婚して既に家庭がある身だと云っていた。

唯一の肉親だった祖父は二年前に他界していて、今は頼る肉親もいないのだと。

(真裕さんには親しい人が誰もいない…私…私しか…)

ぼんやりと考え込む頭の中に薄っすらと浮かぶ名前があった。

(──あっ)

其れを強く意識した瞬間、私はそっと病室を抜けて携帯が使えるスペースに来ていた。







「十倉っ!」
「!」

よく知った声に振り向き、そして姿を確認した瞬間、私は走り出していた。

「五條さん!」

ドンッと勢いよく五條さんの体に飛び込んでギュッと顔を埋めた。

「おい、真裕、真裕はどうなんだ!」
「うっ…うぅっ…」
「十倉!」

五條さんの胸に埋めていた顔を無理矢理剥がされ両頬を掴まれ上げられた。

「泣いてんじゃねぇよ!俺にちゃんと解る様に説明しろ!」
「ご、五條、さん…」

私の涙目に映った五條さんの顔は今まで見た事がない程に青ざめていた。

(五條さん、凄く心配している)

私と同じ心情の人が傍にいるという事が私に少しだけ冷静さを与えてくれたのだった。





「心臓、そんなに悪かったのか…」
「…五條さんは知っていたんですか?」

病室近くの休憩スペースで私はこれまでの経緯を五條さんに話した。

組んだ両手を額に押し当て、五條さんはため息をひとつついた。

「昔からよく息切れがするって云っていたんだ。激しい運動なんかをした後には気分が悪いと云っていたり…真裕本人は単に運動音痴の体力無し男だって笑っていたけど…今年に入ってから結構頻繁に倒れていたんで気になってはいたけど」
「…」

今、私は不思議な感覚の中に居た。

先ほどまでに感じていた怖さ、恐ろしさが今は随分和らいでいる事に気が付いていた。

ひとりで抱えるには重く辛い事実も、共に悩み考えてくれる人が居る事に、不思議な安堵感を得ていたのだった。

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三角の天辺 24話



こんなに全速力で走った事はなかった。

運動は苦手だったし、体育の授業が大嫌いだった。


「はぁはぁはぁ…はぁ、あ、あの!」

やっとの事で其の場所に到着した私は息も絶え絶えになっていた。



『あの、十倉澪、さんですか?僕、生瀬さんの会社の後輩の山本と云いますが、生瀬さんがいきなり倒れてしまって今、救急車を呼んだんですけど──』


其の電話を受けてから私はどうやって此処まで来たのか解らない。

気が付けば脚が勝手に駆け出していて、ただただ目的の病院に行く事だけが頭の中にあったのだ。



「──あっ」
「…」

教えてもらった病室まで行くと、部屋の前にスーツ姿の男の人が立っていた。

「あの、ひょっとして…十倉、さんですか?」
「は、はい…」
「僕、電話を掛けた山本です。あの、生瀬さんが倒れた時に『みお、みお』って唸っていて…其れで勝手に生瀬さんの携帯から其の名前に該当する人を探して電話を掛けました」
「そうですか…ありがとうございます」
「い、いえ!其れであの…」

山本さんが話している途中で病室の扉が開き、中からお医者さんと看護師さんが出て来た。

「! あのっ、真裕さんは」

私は思わずお医者さんに詰め寄っていた。

「生瀬さんの関係者の方ですか?」
「あの…私、お付き合いさせてもらっている者で…」
「そうですか、生瀬さんのご家族の方は──」
「幼い頃にご両親は離婚されていて…母方のお祖父さんに育てられたと」
「其の方に連絡はつきますか?」
「其れが…二年前に亡くなられていて…今は彼、ひとりなんです」
「──そう、ですか」
「…あの」

お医者さんが話せば話す程に厭な予感が募る。

「状況が状況ですので…お話するべきなんでしょう」
「…」
「少しお時間、よろしいですか?」
「あの、其の前に真裕さんに…」
「今は鎮静剤で寝ておられますからまた後で」
「…」

そう云われては無理矢理逢うという事は躊躇われ、とりあえず山本さんに再度お礼を云って其の場を離れたのだった。




病院独特の無機質な部屋に通され、ドキドキしながら促された椅子に座った。

真裕さんの主治医だという藤島先生は一枚の紙を私の前に差し出した。

「ご覧ください」
「…はい」

置かれた紙に目を通して、其の難しい漢字の羅列に一瞬頭が痛くなった。

だけど一文字一文字噛みしめながら読み進めて行って云い知れぬ怖さを感じた。

「専門用語が並んでいて全てを把握、理解する事は難しいと思います。簡単にご説明すると生瀬さんの抱えている病は心臓病です」
「心臓…」
「生瀬さんがこれまでも何度か倒れられて病院に運ばれた事があるというのをご存知ですか?」
「はい。一度や二度じゃなかったと…」
「そうです。検査入院も何度かされたと思います」
「知っています。でも何の病気で検査しているのか…具体的な事は訊いた事がなくて」
「そうですか──生瀬さんの患っている病の正式な病名は閉鎖性肥大型心筋症といいます」
「へいさせいひだいがたしんきんしょう…」
「健康な方には聞き慣れない病名だと思います。実はこの病気は其れだと解る症状が出にくい病気なんです。症状としてあるのは胸痛、動悸、呼吸困難、立ちくらみや眩暈など健康な人でもふとした事で感じる様な症状のため心臓の病気としての発見が遅れる場合が多々あります」
「…」
「生瀬さんの場合は発作による搬送で詳しく検査した結果判明した病で──」
「あの、治るんですよね?!」
「…」

藤島先生が病気に関して解りやすく説明してくれている途中で私はあえて話を遮って云った。

難しい事は解らない。

病気のメカニズムとか原因とか…

感情的にはどうしても病気其のものの説明よりも、真っ先に其の質問に答えて欲しかった。

「其の病気は…治るんですよね?」
「…患者さんの中には一生無自覚で過ごされる方もいらっしゃいます。激しい運動や飲酒、酷い環境変化などある程度の事に制限はつきますが、きちんと投薬治療すればさほど怖がる病気ではありません」
「そ、そうですか」

其の言葉にホッと安堵のため息をつき胸をなでおろした。

「──ただし」
「!」

だけど安堵したのは束の間の事で、先生から告げられた続く言葉に私は再び暗闇の奥底に気持ちが引きずり込まれてしまったのだった。


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三角の天辺 23話



真裕さんと本当の意味での彼氏彼女という仲になって早二ヶ月が経とうとしていた。


「あっ…ま、真裕、さん」
「ん?どうしたの、澪」
「…あ…あの…其の…ゴ、ゴム…は」
「今日は危ない日なの?」
「そうじゃ…ないけど…」
「じゃあ大丈夫だよ。ゴムない方が澪も気持ちいいでしょ?」
「…」

お互いの家を行き来する様になって、其の度にセックスをする事はもはや当たり前になっていた。

勿論する事に対して私は厭だなんて気持ちを持った事がなかったのだけれど

「あっあっ…ふぁ…あぁぁぁっ」
「はぁはぁ…いい、いいよ…んっ、澪…っ」
「ひゃっ…あっ…あ、あっ…イ、イッちゃうぅっ」
「澪の中…ヒクついてる…凄い…あっ…気持ちよ過ぎっ」
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁっ!」

ガンガンと腰を打ち付けられ、ジュブジュブと行き来するモノが私の中を擦りあげる。

奥深く、ギュッギュッと押されると一気に快感が体中に駆け巡った。

「はぁはぁ、はぁ…」
「あ…あっ…」

私の中が真裕さんのモノを放さない様に絡みつき包み込む様に痙攣している。

ヒクヒクと小刻みに動く真裕さんのモノからはドクドクと精液を放出している感じが解った。

(また…中出しされちゃった…)

真裕さんは最初の頃は欠かさず着けてくれていたゴムをいつの間にかしなくなっていた。

初めは膣外射精で私の中に出す事はなかったけれど、其の内中出しする事が当たり前になっていた。

「はぁ…澪、大好き」
「…うん、私も」

ギュッと抱きしめられるとあっという間に避妊されなかったという事がどうでも良くなってしまう私。

とても大切な事なのに…

何故か私は真裕さんの云いなりになっている処があったのだった。




「ねぇ、其れってモラハラなんじゃないの?」
「え」

土曜日、真裕さんが仕事で逢えない時は親友の水穂と逢う事があった。

この日もたまたま休みが合った水穂とカフェでお茶を飲みながらお喋りをしていた。

そして私はずっと思っていた事を水穂に相談した。

「澪の好きな人の事を悪く云いたくないけどさ、避妊しない男は厭だな」
「…」
「赤ちゃん出来たらどうするの?そんなの当たり前の心配でしょう?」
「…そうだよね…危険日じゃなくても…出来ちゃう、よね」
「関係ないよ、そんなの。出来る時には出来る。そして其の負担は全て女側が背負う事になるんだよ」
「…」
「ねぇ、澪が避妊してって頼んでもしてくれないの?」
「…」
「…もしかして澪、ちゃんと云わないの?云いなりなの?彼の」
「一応は云うの、ちゃんとしてって…でも…大丈夫でしょって云われると…其のまま…」
「呆れた!澪がちゃんと拒否しないでどうするの?そんなの合意しているのと同じだよ!」
「…」
「そんなんで『避妊してくれないんだけどどうしよう』ってよくも相談出来たね」
「お、怒らないで、水穂」
「だって怒れるよ、本当!もし赤ちゃん出来たらどうする気?!ちゃんと生瀬さんと結婚の約束とかしているの?」
「結婚?!そんな話、全然」
「……本当呆れた。男はさ快楽重視で避妊しないんだよ。其れでいざ女が妊娠したら責任転嫁する。ありがちな話だよこんなの」
「…真裕さんはそんな事」
「しないって云いきれる?『大丈夫でしょ』って云う様な男に限ってロクなのいないわよ?!」
「…」
「ねぇ、しっかりしてよ、澪。本当に心配だから、わたし」
「…ごめんね水穂…心配してくれて、ありがとう」

やっぱり傍から見たら真裕さんの行為は男として無責任なものなんだと解った。

(真裕さんの考えている事が解らない…)

避妊してくれない真裕さんが水穂の云う様なロクでもない男の部類に入るとはどうしても思えない私。

考えれば考える程何かか突っかかって私を不安に陥れる。


水穂と別れ、家路に向かって歩いていると携帯が鳴った。

慌てて鞄から携帯を取り出し画面を見ると真裕さんからだった。

(あ、お仕事終わったのかな?)

ドキドキしながら出た電話で、私は心臓が止まるほどの衝撃を受けたのだった。

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三角の天辺 22話



「なんだよ、これ」
「えっ、見ての通りですけど」

想い出深い京都旅行から帰った翌日、出勤した私はそっと五條さんにお土産の京都銘菓を渡した。

「…」
「あの…甘いもの嫌いでしたっけ」
「…」
「珍味と迷ったんですけど、前に五條さんスイーツの食べ放題に誘ってくれた事があったじゃないですか?だから甘いものが好きなのかと──」
「女臭くなりやがって」
「えっ」

憮然とした表情で云った五條さんの言葉にドキッとした。

「ありがちなパターンにハマりやがって。で?処女喪失した気分はどうだ。是非教えてくれよ」
「!」

カァッと顔が赤くなった。

(まさかまた真裕さんがメールで事のあらましを五條さんに?!)

「真裕から訊いたんじゃねぇよ。というか昨日はメールがなかった」
「え」

其の言葉に驚いた。

「旅館から露天風呂の写メが届いてからさっぱりとメールが届かなくなった」
「…」
「其れって、そういう事なんだろう」
「…」
「俺に牽制をかける必要が無くなった。其れはそういう事なんだろうなぁ?」
「…そう、なんですかね」
「あぁ?」

真裕さんが五條さんにメールをしなくなった事はいい事なんだろうか?と考えてしまう。

五條さんの云う通り、私の事に関するメールを真裕さんが五條さんに頻繁に送っていたのは牽制のためだとしたら…

(気持ちを確認し合った今ではもう其の必要がないって事、なの?)

私にしたら其れは嬉しい事なのかも知れない。

(でも五條さんは──?)

「いいんだよ、其れで」
「!」
「なんかおまえ、また色々考えているみたいだけどよ、俺は真裕の幸せが一番なんだよ。真裕が幸せになるならこんなのはなんでもない事だ」
「…五條さん」
「──ただ、まぁ…おまえを甚振る事に関しては今まで以上に力を入れる事になるけどな」
「えっ!な、なんですか、其の怖い発言っ」
「当たり前だろう、後からノコノコ来た奴にあっという間に横取りされたんだからな。其の鬱憤晴らさずにいられるか」
「だ、だってそもそも真裕さんを紹介したのは五條さんじゃないですか!其れなのに私、恨まれるんですか?!」
「…」

其処で五條さんは黙り込んでしまった。

「…五條、さん?」

ジッと私の顔を見たまま微動だにしなくなった五條さんが心配になった。

けれど

「──おまえは今までのおまえじゃねぇよな」
「え?」

吐き出される様に発した五條さんの其の言葉の意味が解らなかった。

「…」
「あの、其れ、どういう意味ですか?」
「なんでもない。じゃあな」
「あっ」

五條さんは私が渡したお土産をヒラヒラと掲げて、あっという間にいなくなってしまった。

(今までの私じゃないって…其れってどういう事、なんだろう)

安直に考えれば、セックスを経験した私は今までの恋愛初心者からは少しランクアップしたという意味に捉えられるのだけれど…

(そ、そんな事胸を張って云えないからなぁ~~)

京都で味わった真裕さんとの甘い時間を思い出して一瞬で体が火照ってしまった。

今まで知らなかった世界を知った私は、少し世界が違って見える気になっていた。


──しかしまさか、この日五條さんが呟いた言葉の本当の意味を知る日が来るだなんて、この時の私は知る由もなかったのだった

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