FlowerLeaf

*AriaLien Sub BLOG*

2017年08月

三角の天辺 31話



【今日は残業~忙しいから仕方がないんだけど…澪の画像見て頑張るよ!】

「…」

携帯に届いた真裕さんからのメールにはぁとため息をつく。

「なんだよ、ため息なんてついて」
「あ、五條さん」

いつもの様にお昼ご飯は社食で摂っていた。

そしていつもの様に私の向かい側の席に着く五條さん。

「知っているか?最近社内で俺とおまえは付き合っているんじゃないかって噂になっている事」
「えっ!な、なんですか其れっ」

いきなり思ってもみなかった言葉を発せられ口に運ぼうと思っていたご飯が箸から零れた。

「こうやって一緒に飯を食う事が多いし、営業にはおまえとふたりでっていうのが多いしな。噂になるのも当然だろう」
「や、嫌だぁ~誤解、解かなくっちゃ!」

私には真裕さんという婚約者がいるのにそんな変な噂を立てられたらたまったものじゃないと思った。

「待て待て、誤解を解く様な真似はよせ。これはおまえにも俺にも都合がいい噂だぜ」
「は?な、何云ってるんですか」
「俺は噂のお蔭でやたら滅多な女に誘われなくなるし、おまえだって鬱陶しい男を寄せたくないだろう?」
「五條さんのメリットは解りますけど、私は…別に寄って来る人なんて」
「いるんだよ、ちょっと前から」
「は?」
「真裕と付き合いだしてからおまえ、妙にいい女になったって男性社員の間ではちょっとした噂になっているんだよ」
「えっ!嘘っ」
「本当。俺、散々聞かれたからな『十倉さんって彼氏いるのかな』とかって」
「…」

そんな事、今までなかったからただただ驚くばかりだった。

「まぁ、確かにな。此処数ヶ月の間でおまえ、其れなりにいい女になったと俺も思うぜ」
「…五條さん」
「恋している女っていうのはこうも変わるんだなと驚いた」
「~~~」

面と向かって五條さんからそう云われて恥ずかしくなった。

仮に私が少しはマシな女になったのだとしたら、其れは全て真裕さんのお蔭なのだ。

彼の存在が私という花を開かせてくれたという事なのだ。

「だから噂は放っておけ。其れともなんだ、俺と嘘でも噂になるのは嫌か?」
「いいえ、そんな事ないですよ、噂、其のままにしておきましょう」
「!」

にっこりと笑顔で五條さんに告げると、何故か五條さんがビックリした様な顔をした。

「? どうかしましたか、五條さん」
「……い、いや、別に…」
「?」

五條さんにしては珍しい上気した顔が少し気になったけれど、其の事は先刻の真裕さんからのメールで直ぐに忘れてしまった。

「そ、そういえばおまえ、ため息ついていたな。どうした」
「あ…えっと、最近真裕さん、仕事が忙しいみたいで…」
「…」
「残業が多くなって夜、逢えない事も多くて…心配なんです」
「ちゃんと医者の指導の下で勤務してるんだろう?心配する事ないんじゃないか」
「でも…」
「もう少し真裕を信じてやれよ」
「え」
「真裕、おまえとの結婚に向けて金貯めているんだよ」
「!」
「これから手術が控えていて、其れなりに出費がかさむだろうし、結婚資金とかそういうの、動ける内は稼ぎたいって気持ちが強いんだよ」
「そんな…私、私だって協力して…ふたりの問題なのに」
「男っていうのは変なプライドがあるんだよ。現に手術費用だって俺が全額払ってやるって云ったのに真裕は頑として首を縦には振らなかった」
「…」
「意外と真裕は頑固なんだ。一度決めた事は決して曲げない。其れが真裕のいい処でもあり悪い処でもある」
「…本当五條さんって…真裕さんの事をよく知っているんですね」
「おまえとはつるんで来た年月が違うから仕方がないだろう。でもこれからはおまえの方が俺なんかよりもうんと俺の知らない真裕を知る事になるんだ」
「そう、かな…」
「そうだよ、ってか既におまえは俺の知らないセックスしている時の真裕を知っている訳だし」
「わっ!わぁぁぁっーな、何云ってるんですかっ」
「静かにしろ、周り、見てんぞ」
「!」

少しはいい感じになった私と五條さんの関係。

しかしそう思えたのはやっぱり勘違いだったのかなと思ってしまう様な会話だった。

だけど不思議と五條さんから真裕さんに関する事で『大丈夫だ』と云われると、そうかもと思えてしまう私だから、其れはちょっと不思議だなと思ったのだった。

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三角の天辺 30話



真裕さんと結婚すると決めたものの、話はそう簡単には進まなかった。


「とりあえず俺の手術が終わるまでは婚約という形にしておきたいんだけど」
「どうして?私はすぐにでも真裕さんのお嫁さんになりたい」

真裕さんの部屋で甘いひと時を過ごしている時の会話は、もっぱら結婚に関する事が多くなった。

「そう云ってくれるのは嬉しいんけどね…んっ、なんていうか…あっ、俺のなけなしのプライドっていうかさ」
「あっ…ん…プ、プライド?」
「そう……あっ、ちょっとごめん、んっ…んんんっ」
「あ、あぁぁっ、んっ──」

緩やかな動きで奥深くを擦られ続け、ジワジワと感じていた気持ちよさは一気に爆発して私の中をうねらせた。

「あ、あっ…あっ…」
「んんっ…ん」

奥深くに挿入っている真裕さんのモノをギュッギュッと締め上げると、其れに応える様にビュッビュッと熱い精を放たれた。

「…はぁ、はぁ…はぁはぁ…」
「真裕さん…大丈夫?」
「ん、大丈夫…はぁ、あ…気持ちよさの方が上回っている…」
「…」

逢うといつも求められる。

私も真裕さんが欲しくて堪らないからつい応じてしまうけれど、セックス中はつい夢中になって激しい動きをする事があった。

其の都度真裕さんは苦悶に満ちた表情をする事があったけれど、行為を止めるという事はなく、結局いつも最後まで愛し合ってしまうのだった。

(セックスって心臓に負担かかっているのかな…)

そんな疑問があるけれど、恥ずかしくて中々誰かに訊くという事が出来ない。

真裕さんがいつも「大丈夫だから」と云う言葉だけを頼りに応えてしまうのだけれど…

「澪、どうしたの?」
「あ、ううん、なんでもない」
「そう?あ、俺の事、心配しているなら無用だよ」
「え」
「別にセックス禁止令出ていないから」
「!」

云われた言葉に真っ赤になった。

「あははっ、やっぱり気にしていたの?大丈夫だよ。ちゃんとお医者さんの許可貰っているから」
「きょ、許可?!」
「うん、其の手の話も報告しているんだ。だから心配しないでいいよ」
「~~~」

其れは其れで恥ずかしい事だと思ったけれど、お医者さんの指導の下での行為なら大丈夫なのかなと少し安心したのだった。



身なりを整え、私の淹れたお茶を飲みながら先刻していた話の続きをした。

「澪のお母さんに結婚の挨拶に行くとか…そういう具体的な話は俺の手術が終わってからでもいいかな?」
「どうして?」
「んーなんかさ…よく考えたんだけど、俺、やっぱり少しはマシな体になってから堂々と澪のお母さんには挨拶したいなと思って」
「…」
「今の状態の、不安定な体調の俺じゃなくて、絶対に大丈夫です、娘さんを生涯かけて幸せに出来ますっていう自信を持って挨拶したいんだ」
「…真裕さん」
「だから少しだけ待ってくれる?手術が終わって元気になるまでのほんの数ヶ月の事なんだけど」
「…うん、解った」
「澪」

真裕さんのいう事はとても解った。

元気になったらという気持ちが大きいのも理解出来たから、私は逸る気持ちを抑えて今は婚約という期間を愉しもうと思ったのだった。





『よかったじゃん、澪!』

「うん…ありがとう」

私はとりあえず何かと気にかけてくれていた水穂にだけは事の成り行きを報告しようと連絡した。

『手術も絶対成功するよ、絶対大丈夫だから。ね、澪』

「うん、勿論そう思っているよ。そんなに難しい手術じゃないって訊いているし」

『しかし…いい人だね、生瀬さん。こうやって話を訊いているだけでも澪の事ちゃんと愛しているって解るよ』

「は、恥ずかしいなぁ」

水穂の素直な賛辞にどうしても照れてしまう。

『で?手術日決まったの?』

「うん、一ヶ月後に。真裕さんの担当のお医者さんが執刀してくれる事になって」

『有名な先生なんでしょう?心臓に関しては。だったらもう100%安心だね』

「本当すごく偉い先生なんだって。ネットで調べたら色々情報が出て来て、評判のいい先生でね」



私は幸せの真っ只中にいた。

これから来るだろう明るい未来にどうしても胸が高鳴って…

今まで生きて来た中で、最高に甘くふわふわとした時間を漂っていたのだった。


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三角の天辺 29話



「はぁ?!結婚っ?」

其の夜、仕事を終えた五條さんが真裕さんの部屋にやって来た。

私が用意した料理を前に、真裕さんが口にした言葉に五條さんは驚いて硬直した。

「へへっ、そう!俺たち結婚すんの」
「…はぃ」

隣に座っていた私の肩をグイッと引き寄せ、真裕さんは満面の笑みで云った。

「…なんだよ、其の急展開」
「本当急だよなぁ~ごめんね~幸より先に~」
「其の緩みっぱなしの顔見せるの止めろ、胸糞悪い」
「…五條さん」
「あぁっ?」

眉間に皺を寄せてグラスに口をつけている五條さんに私は話しかけた。

「私、ちゃんと真裕さんを受け止めますから」
「…」
「幸せに…しますから」
「──阿呆、其れは男が云う台詞だろうが」
「あ」
「そうだよ、澪!俺が澪を幸せにするんだからね!」
「は…はいっ」

強張っていた五條さんの表情が少しだけ緩くなった気がして安心した。


思い思いに料理に箸をつけ、歓談している中で真裕さんは急に姿勢を正して私と五條さんを交互に見つめて口を開いた。

「俺、手術受けようと思う」
「えっ」
「真裕」

其の言葉に私も五條さんも驚いた。

「今までは発作が起きても其の都度何とかなって来た訳だし、薬飲んでりゃ大した事ないと思ってやり過ごして来た」
「…」
「だけどさ、澪と結婚するって決めたら…こんなんじゃダメだと思って。医者が手術を勧めるなら其の通りにして、澪を少しでも安心させたいと思うんだ」
「ま、真裕さん…」
「俺、絶対澪より先に死なないから」
「…はい…はい」

真裕さんの温かな掌が私の頭上に置かれる。

泣きじゃくる私に何度も「いい子いい子」という様にポンポンと擦ってくれる。

其の感触が幸せ過ぎて、また私は泣いてしまう。

「真裕、偉いぞ」
「偉い?──でも正直ぶっちゃけると今まで手術とかって怖いと思っていたんだよなぁ…カッコ悪いけどさ」
「カッコ悪くなんてないよ、真裕さん」
「…ありがと。だけどさ、澪のためにって思うとなんか怖くなくなっちゃうんだよ。不思議だよな」
「愛の力ってやつか」
「幸っ、は、恥ずかしいから皆まで云うなよ~」

真裕さんと五條さん、ふたりのやり取りが軽妙で、嬉しくて泣いていた私はいつの間にか大声をあげて笑っていた。




愉しい祝いの席は瞬く間に終わってしまい、私は五條さんに家まで送ってもらっていた。

「十倉」
「…はい?」

心地よい電車の揺れに少し眠気を感じウトウトていた私は、五條さんの呼びかけで覚醒した。

「よく此処まで来たな、短い間で」
「…そう、ですね」
「余程真裕との繋がりが深いんだな」
「繋がり?」
「業っていうのかな、縁っていうか…人間にはそういう相手がいるんだよ。生まれる前に深く関わっていた人と巡り合ってまた関係を持ってしまうというのが」
「…」
「なんか、おまえと真裕を見ているとそういうのを強く感じる。物凄い速さでくっついたっていう事実が裏付けている様で」
「…そうかも知れません」
「…」
「私もそんな気がします。真裕さんとはこの世に生まれる前にも愛し合っていたみたいな…理屈じゃない愛おしさを感じるんです」
「…」
「だから今までの私の中にあった信念が一瞬で壊れたんだと思います。人を愛する事は素晴らしい事なんだって解った」
「──其れじゃあ敵わないな」
「え」
「真裕の事に関してはおまえには敵わない」
「…」
「好きになった順番とか、年月の長さとか、性別とか──恋愛においてそういうのは全然関係ないんだなって思うよ、おまえを見ていると」
「五條さん…」
「仕方がないから応援してやる。真裕同様、おまえも」
「あ、ありがとうございます…っ」

真裕さんの事をずっと好きだった五條さんが此処まで云ってくれた事に対して私は素直に感謝した。

五條さんは長年溜め込んで来た恋心を解放する事なく其れを昇華するのだと。

並大抵の感情じゃないと思った。

でもだからこそ五條さんの恋心は真摯で本物で…

そういった意味では私は一生五條さんには頭が上がらない様な気さえしたのだった。


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三角の天辺 28話



火照った衝動が鎮まった頃、真裕さんが呟いた。

「澪、今日はゴムしてって云わなかったね」
「え」

ベッドにもたれ掛っていた真裕さんは、床に寝そべっている私と同じ様に床に伏せて視線を合わせた。

「なんで云わなかったの?」
「…」
「避妊、しなかったら…赤ちゃん出来ちゃうかもしれないよ」
「…うん、そう、だね」
「…」
「出来たら…産んでもいい?」
「──え」

私が瞬きをしないで真っ直ぐに真裕さんの目を見て言云った言葉に、真裕さんはとても驚いた顔をした。

「私、真裕さんの赤ちゃん、欲しい」
「…」
「真裕さんと…家族になりたいの」
「!」

其れは私からの逆プロポーズだった。

そう、私は決心していた。

私の人生を掛けてまで叶えたい夢が見つかった。

いつの間にか真裕さんという存在其のものが私の夢になっていたのだ。

「澪…何を云ってるか解ってるの?」
「解ってるよ。私、真裕さんにプロポーズしているの」
「…」
「ずっと傍にいるって云ったでしょう?約束したじゃない」
「…」
「もう…片時も離れていたくないの」
「…其れって、俺の病気と関係あるの?」
「──え」

素直な気持ちを吐露していた私に、真裕さんは冷めた低い声で云った。

「急にそんな事を云うタイミングがさ…なんかあれじゃん。俺が倒れて、病名知って、なんか普通と違うって感じで…そんなタイミングでプロポーズって…死んじゃうかも知れない俺に同情してそんな事を云うのかな、って」
「なんでそんな事云うの?!」
「え」

浸っていた甘い気持ちが一瞬で吹き飛んでしまって、気が付けば私は真裕さんを起き上がらせて一緒になって床に座り直した。

「真裕さんは死なない!真裕さんの病気はちゃんと治療を受ければ死ぬ事はない!だから私は真裕さんと結婚して家族になりたいって云っているのに!」
「…澪」
「同情?そんなの全く考えた事もないわ!同情なんて気持ちで私は結婚なんて出来ない」
「…」
「真裕さんはこれからもうんと長生きをして、私と沢山の子どもたちに囲まれて幸せになるんだから!」
「…」

泣きじゃくりながら気持ちをぶつけた私は、堪え切れずに其の場から立ち去ろうとした。

だけど

「きゃっ」
「澪!」

素早く腕を取られて其のまま真裕さんの胸の中に体が収まってしまった。

「ま、真裕さ」
「今までそんな事を云ってくれる女の子、いなかった」
「えっ」
「…本当は俺、ずっと…ずっと家族が欲しかったんだ」
「!」

声だけしか聞こえない状況なのに、真裕さんがどんな表情で其れを云っているのかが解ってしまう。

「俺には縁のなかった普通の家族っていうの…ずっと欲しくて堪らなかった。だから躍起になって探していたんだ。俺と家族になってくれる女の子を」
「…」
「今までの相手とは結局遊び止まりの付き合いでしかなかった。俺にとって付き合うって事はいつも結婚を見据えての付き合いだったけど、相手はそうじゃなかったんだ」
「…」
「いっその事結婚を迫る口実を作るために…酷いセックスを強要した事もあった」
「其れって…避妊をしないでって事?」
「…うん、単純に赤ちゃんが出来れば結婚を考えてくれるだろうって。でも大抵は酷く抵抗されて、其のまま関係が終わってしまうパターンばかりだったけど」
「…そう、だったの」
「だから澪にもつい…今までみたいなセックスを強要していた処があった。でも其れは本気で澪の事が好きで、出来れば結婚したいと思っていて」
「!」
「だけど付き合い始めてそんなに経っていないし、澪が何処まで俺との事を考えてくれているのか解らない状態で…其れに俺には持病があって…こんな俺が結婚とか望んでいいのかなって思ったりして──んっ」

堪らなくなった私は話している途中の真裕さんの顔を引き寄せキスをした。

「み、澪」
「嬉しい…同じ気持ち、だったのね」
「…」
「…真裕さん、結婚しよう?」
「…澪」
「私は真裕さんと幸せになるの」
「澪」


──結婚なんて考えた事もなかった

そう、真裕さんと出逢う前の私からは選択肢として出て来る事さえなかった未来だった。

愛する人を失う恐怖に怯えて人を愛する事を拒否していた私だったけれど、今の私からしたら其れはとても愚かな事だったのだと解り過ぎる程に解ったのだった。

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三角の天辺 27話



真裕さんは一週間程入院をして、無事に退院した。

「はぁ~やっぱり我が家が一番だぁー」
「真裕さん、あんまりはしゃがないでね」

この日休みをとって真裕さんの付き添いをした私は、真裕さんの部屋のキッチンで食事の支度を始めた。

「はしゃいでないよ。っていうか凄い材料だね」
「夜には五條さんが来るから。沢山ご馳走作っておかないと」

真裕さんの退院祝いを真裕さんの部屋で行うという流れになっていて、私は其の準備に取り掛かっていたのだ。

「わざわざ俺の部屋でする事ないのに。何処か外で食べたっていいし」
「退院したてで出歩くなんてダメ!自分の家でゆっくりした方が絶対いいんだから」
「…」

私はじゃがいもの皮を剥きながら真裕さんの相手をしていた。

しばらく食材に目を向けていると、いきなり後ろから抱きつかれた。

「! ちょっと真裕さん、包丁持っているのに危ないよっ」
「澪、したいよ」
「え」
「えっち、したい」
「っ…ダ、ダメ…ご飯、支度しなくっちゃ…」
「直ぐに済むから」
「そんな…は、激しい運動は控える様にってお医者さんが」
「激しい事しないから」
「…」

耳元で甘く囁かれてしまっては逆らえない私。

(私だって…したい)

心の奥底でそう思っていた気持ちは、真裕さんから与えられる愛撫で大きくなってしまっていた。






「んっ…ん、ん…」
「はぁ…凄ぃ…気持ちいい、よぉ」
「んっ、ぁ」

私は床に跪いて、ベッドの縁に座っている真裕さんのモノを一心不乱にしゃぶっていた。

真裕さんに教えられるまま口いっぱいに頬張って優しく舐め上げて行く。

「はぁ…澪、上手…」
「…んっ」

私の行為で気持ちよくよがっている真裕さんの顔を見るのが堪らなく幸せだった。

だからどんなに恥ずかしい事でも出来るだけやってあげたいと思ってしまう。

「あ…っ、ヤバい」
「っ!」

急に真裕さんが私の肩に手をついてグッと押した。

其の勢いで私の口から真裕さんのモノが抜けてしまった。

「はぁ…ヤバい…出ちゃう処だった」
「…出してもいいよ?」
「え」
「真裕さんのだったら私、欲しいよ」
「…澪」

其れは本心だった。

真裕さんのものならどんなものでも欲しいと思った。

「真裕、さん…」
「全く…本当可愛い事、云ってくれるんだから」
「あっ」

真裕さんは其のまま私を床の上に押し倒した。

そして既にぐちゃぐちゃに濡れてしまっている私の秘所にグッとモノを押し挿入れた。

「あぁっ!あぁ、っ」
「澪…凄い、中…」
「ひゃぁん、あっ、あっ…」

ズボズボと一気に奥深くまで挿入って入った感触で私の中は一斉に蠢き出した。

「澪…もうイクの…?凄い…俺のに絡んで来てる」
「き、気持ち…いいの…はぁん…もぅ…もう…」
「あっ…俺もすぐイキそう…っ、んっ…ん」

決して激しい律動ではなかったのに、私は緩やかに動かされる真裕さんの腰遣いにすっかり蕩けてしまっていた。

やがて真裕さんの腰が止まり、私の中に沁み出す感覚がした。

(あぁ…真裕さんの…精液…温かい)

私はすっかり真裕さんに「避妊して」と云えなくなっていた。

其れは私の中である種の決意にも似た感情に支配されていたからだった。

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