冬休み間近の12月。

私の人生において信じられない出来事が降って湧いた。

其れは私に驚きと共に…


「せめて中学卒業まではいたかったんだけど…どうしても父親の転勤で融通が利かなくて」
「…転校って、何処に」
「アメリカ」
「アメリカ?!」
「うちの父親、貿易関係の仕事しているから仕方がないんだよね」
「…」
「だからさ、日本を離れる前に思い残す事がない様に気持ち、伝えたかったんだ」
「…」

初めて告白された男子が数日後には遠く離れる事になるなんて…

(そんな事って──)

何故か私の胸の中には猛烈な寂しさが募って行った。

「ごめんね、北森さん。俺の一方的な告白で…あ、返事はいいんだ。ただ気持ちを伝えたかっただけで」
「どう、して」
「え」
「どうして…告白、なんて…」
「…」
「そんな…間宮くんからそんな告白を受けたら私…私…」
「! 北森さん」

気が付いたら私はボロボロ涙を流していた。

住む世界が違う人だと何処かで諦めていた人から受けた突然の告白。

恋している事を『仕方がない』という言葉で恋にしなかった想いが急に大きく成長して実が熟してしまった。

「一方的に気持ちを押し付けて…終わりにしないでっ」
「…」
「私、私だって…間宮くんの事」
「北森さん…」

私たちのやり取りに図書室内にいた数人が何事かとひそひそ話しているのが気配で解った。

そんな気まずい中で私は慌てて帰り支度をして図書室を飛び出した。




薄暗くなった宵の頃、校門を出て数十メートル走った処で息が切れた。

「はぁ…はぁはぁ…」

冷たい木枯らしが流れていた涙の跡を容赦なく冷やした。

「…寒い」

私は手袋を出そうと鞄を探った。

「北森さん!」
「!」

後ろから聞こえた声に体がしなった。

「待って、北森さん」
「…」

私の後を追いかけて来ただろう間宮くんもはぁはぁと息を上げていた。

「北森さん、ごめん。俺、俺…独りよがりな事しちゃって」
「…」
「其の…もしかして…北森さんも俺の事を」
「…」
「好きだって…自惚れてもいいのかな」
「…」

私は静かにコクンと首を縦に振った。

「嘘!ほ、本当に?!」
「でも…!私の好きって今、自覚したばかりで」
「其れでもいいんだ」
「え」
「俺の事、嫌いじゃないって解って…其れだけで嬉しい」
「…」

そういって間宮くんは私の掌を取った。

「!」

間宮くんと繋がれた私の冷えた掌が一気に熱を帯びた。

「ねぇ、今度の日曜日、デートしない?」
「え」
「デート、という名前の思い出作り。ダメ?」
「…」

少しぎこちない笑顔を向けた間宮くんは、私からの返事を訊いた瞬間、零れんばかりの笑顔を見せてくれたのだった。

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